7.快適な住まいを権利に
光熱費高騰策として国が打ち出す政策はすべて「小手先」「先送り」です。2021年度には17兆円だった燃料の輸入費が2022年度は30兆円にまで膨れ上がりました。このような光熱費の高騰は、所得の低い人ほど大きな影響を受けます。住宅や、学校などの公共施設の断熱改修と太陽光パネル設置をすすめ、光熱費ゼロとエネルギーの地産地消、防災力の強化を目指します。これらの脱原発グリーンニューディール政策は自治体にとって投資であり、地域の産業と雇用の振興につながります。
国に求めること
- ●短期的には光熱費対策として、地方交付税交付金を大幅アップします。特に病院など企業会計への支援を拡充します
- ●中長期的に省エネ、創エネによって海外からの輸入に頼らないエネルギー構造をめざします
- ●空き家借り上げや家賃補助、断熱改修など、住環境の確保に関して特別の財政支援を実施します
自治体で取り組むこと
- ●急増する空き家や団地の空き室を地方自治体が借り上げ、若者や低所得者、住まいを必要とする人びとに提供する仕組みを作ります
- ●燃料貧困対策として、燃料費の軽減につながる公共住宅の断熱改修をすすめます。自治体が借り上げ、提供する空き家や空き室には、断熱基準を設けます
- ●エネルギー100%自給型の快適な公営住宅を建設し、高齢者・単身者などの住まいの権利を保障します
- ●新規建設および既存の住宅やビルの断熱基準をさらに高め、省エネ設備設置への支援を拡大し、「燃料貧困」をなくします
- ●「住宅確保要配慮者向け賃貸住宅の供給促進計画」の枠組みで月4万円(国の補助2万円)の家賃補助の対象世帯を増やします
- ●住宅の新築や改修に際して、国の基準以上の断熱施工を促す助成制度を作ります
- ●住宅の屋根への太陽光パネル設置や太陽熱利用設備の設置、雨水利用タンク設置に対する助成制度を作ります
- ●太陽エネルギー利用やヒートポンプ設置が検討できる「現況マップ」を作成します
- ●地元の優良な施工業者が住宅の断熱や太陽光パネル設置施行を受注する場合、地元の地域金融機関に対して地方自治体が債務保証を行います
- ●学校など公共施設に、断熱改修や省エネ改修(ESCO事業)を実施するとともに、太陽光パネルの設置をすすめ、光熱費ゼロを実現します